法人の青色申告と白色申告の違い

はじめに
法人を設立すると、毎年必ず法人税の申告を行う必要があります。
その際に選択できるのが「青色申告」と「白色申告」です。
個人事業主の確定申告でも耳にする制度ですが、法人にも同様の制度が存在します。
「青色申告と白色申告って何が違うの?」
「どちらを選んだ方が有利なの?」
この記事では、法人が行う青色申告と白色申告の違いについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
1. 青色申告と白色申告とは?
法人の確定申告には2つの方法があります。
- 青色申告:一定の帳簿や書類を備え付け、正しい経理を行うことを前提に、各種特典(税制上の優遇)を受けられる申告方法。
- 白色申告:簡易な経理でも申告できるが、青色申告のような特典は受けられない方法。
法人の場合、ほとんどの会社が青色申告を選択します。
その理由は「節税効果が大きいから」です。
2. 青色申告をするための条件
青色申告をするには、事前に税務署へ申請が必要です。
- 青色申告の承認申請書 を提出する
- 設立日から3か月以内
- または最初の事業年度終了日までのいずれか早い日
この期限を過ぎると、その事業年度は白色申告しかできず、翌年度から青色申告が可能となります。
3. 青色申告のメリット
① 欠損金の繰越控除ができる
事業で赤字が出ても、その損失を将来の黒字と相殺できます。
現在は最長10年間繰り越すことが可能で、法人にとって大きな節税メリットです。
② 欠損金の繰戻還付が可能
青色申告法人が赤字になった場合、前年に納めた法人税の一部を還付してもらえる制度があります。
資金繰りの改善につながるメリットです。
③ 特別償却や税額控除が利用できる
特定の設備投資をした場合に、通常より多く減価償却できる「特別償却」や、法人税額から直接差し引ける「税額控除」を利用できます。
④ 経理の信頼性が高まる
帳簿をしっかり作成するため、金融機関からの信用度が上がり、融資を受けやすくなるメリットもあります。
4. 白色申告の特徴(デメリット)
法人が白色申告を選ぶ場合の注意点を整理します。
- 赤字を繰り越せないため、翌期以降に黒字が出ても税負担が増える
- 特別償却や税額控除などの優遇措置が使えない
- 金融機関や取引先からの信用度が低くなる可能性がある
- 申告自体は可能だが、結果的に不利になるケースがほとんど
「手間を省きたいから白色申告にする」という選択肢も理論上はありますが、法人では青色申告を選ぶのが一般的です。
5. 青色申告と白色申告の比較表
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 申請の要否 | 承認申請が必要 | 不要 |
| 帳簿 | 複式簿記が原則 | 簡易簿記でも可 |
| 赤字の繰越 | 最長10年可能 | 不可 |
| 特別償却・税額控除 | 利用可能 | 利用不可 |
| 信用度 | 高い | 低い |
| 一般的な選択 | ほぼ全法人が選択 | 少数 |
6. どちらを選ぶべき?
結論として、法人は 原則として青色申告を選択すべき です。
節税メリットが大きく、経営上の信頼性も高まります。
ただし、青色申告は帳簿作成が必須であり、経理の手間がかかります。
会計ソフトを導入したり、税理士に依頼したりすることで、効率的に青色申告を進めるのが一般的です。
まとめ
法人税申告には青色申告と白色申告の2種類があります。
- 青色申告:申請が必要だが、赤字の繰越や税額控除などの特典が豊富で有利
- 白色申告:申告はできるが、税制上のメリットがなく不利になることが多い
法人を経営するうえで、青色申告を選ぶのが基本です。
正確な帳簿を整え、効率的に申告できる体制を整えておきましょう。
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