法人税の予定納税の仕組みと資金繰り対策

はじめに
法人を経営していると、毎年決算期ごとに法人税の申告と納付を行う必要があります。
しかし法人税は、決算期が終わるまで納税をしなくてよいわけではありません。
「予定納税(中間納付)」 と呼ばれる仕組みにより、事業年度の途中でも納税が求められる場合があります。
この記事では、法人税の予定納税(中間納付)の仕組みと、資金繰りへの影響、そして具体的な対策について分かりやすく解説します。
1. 法人税の予定納税(中間納付)とは?
予定納税とは、前期の法人税額を基準にして、事業年度の途中であらかじめ税金を納める制度のことです。
法人税は基本的に 年1回の決算申告で確定 しますが、国としては税収を安定的に確保するために「中間での納税」を求めています。
法人税における予定納税は、通常「中間申告・納付」と呼ばれます。
2. 予定納税が必要となる基準
法人税の予定納税が必要かどうかは、 前事業年度の法人税額 によって判定されます。
- 前事業年度の法人税額(国税部分)が 20万円を超える場合
→ 中間申告・納付が必要 - 20万円以下の場合
→ 中間申告・納付は不要
3. 納付の回数と時期
法人税の予定納税は、年1回 行います。
- 納付の時期:事業年度開始の日から 6か月を経過した日以後2か月以内
(例:決算期が3月末の法人の場合 → 9月末を基準に、11月末までに納付)
4. 予定納税の計算方法
予定納税額には2種類の計算方法があります。
① 前期実績による方法(原則)
前事業年度の確定法人税額を基準に、次の式で算出します。
予定納税額 = 前事業年度の法人税額 × 6/12
つまり、前期の法人税の半分を中間で納めるイメージです。
② 仮決算による方法(選択可)
事業年度の途中(6か月経過時点)で仮決算を行い、その実績に基づいて予定納税を申告することも可能です。
業績が前期より大幅に下がっている場合、この方法を選ぶことで納税額を減らせます。
5. 資金繰りへの影響と注意点
予定納税は、資金繰りに大きな影響を与える可能性があります。
- 前期黒字でも、今期は赤字で資金が厳しい → 予定納税が重い負担になる
- 業績が順調でも、資金繰りの計画を怠ると資金ショートにつながる
- 中間納付を忘れると、延滞税が課される可能性がある
特に中小企業では、納税資金の確保が経営の生命線となるため注意が必要です。
6. 資金繰り対策のポイント
① 仮決算の活用
業績が悪化している場合は、仮決算を作成して予定納税額を適正に減額しましょう。
② 納税資金を計画的に積み立てる
決算後に法人税を納めた直後から、次の中間納付に備えて毎月一定額を積み立てておくと安心です。
③ 金融機関との連携
資金繰りに不安がある場合は、早めに金融機関に相談し、納税資金のための短期融資を検討することも有効です。
④ 税理士への相談
予定納税の判定や仮決算の作成は専門的な判断が必要です。顧問税理士に相談し、最適な方法を選ぶことが大切です。
まとめ
法人税の予定納税(中間納付)は、前事業年度の法人税額を基準に、事業年度の途中であらかじめ納税を行う仕組みです。
- 前期法人税額が20万円を超える法人が対象
- 前期実績による納付か、仮決算による納付を選択可能
- 資金繰りへの影響が大きいため、計画的な準備が重要
納税資金を確保しつつ、業績に応じて仮決算を活用するなど、柔軟に対応していきましょう。
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