決算期を変更するメリット・デメリット

目次

はじめに

会社を設立するとき、最初に「決算期(事業年度の末日)」を定める必要があります。
「3月決算」にしている会社も多いですが、実は決算期は途中で変更することも可能です。

「本当に変えた方がいいの?」
「どんなメリット・デメリットがあるの?」

この記事では、決算期を変更する仕組みと、実際に検討する際のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。


1. 決算期の変更は可能?手続き方法とは

会社法により、株式会社や合同会社は 定款に事業年度を定める ことが義務付けられています。
そのため決算期を変更するには、通常、株主総会で定款変更を決議 し、その後に税務署や都道府県、市区町村に「異動届出書」を提出します。

つまり、決算期は法律で固定されているわけではなく、適切な手続きをすれば柔軟に変更できるのです。


2. 決算期を変更するメリット

① 繁忙期を避けて事務作業の負担を軽減できる

決算期が繁忙期と重なると、経理や申告作業に大きな負担がかかります。
業務が落ち着く時期に決算を持ってくることで、余裕をもって決算処理や申告ができるようになります。

② 資金繰りの調整がしやすい

納税は決算後にまとまった金額が発生します。
売上が伸びやすい時期や資金が潤沢な時期に決算期を設定すれば、資金繰りの安定につながります。

③ グループ会社で決算期をそろえられる

複数の会社を経営している場合、決算期を統一することでグループ全体の業績を比較しやすくなり、連結決算の手間も軽減されます。

④ 節税のチャンスが生まれる場合も

決算期の変更によって、1回の事業年度が短縮される「短期事業年度」が生じることがあります。
売上が一時的に大きくなる見込みがある年度を短くすることで、課税所得を分散させ、結果的に税負担を平準化できる場合があります。


3. 決算期を変更するデメリット

① 変更に手間とコストがかかる

定款変更のために株主総会を開催する必要があり、専門家に依頼すれば報酬が発生します。
さらに、税務署・都道府県・市町村への届出も必要です。

② 短期事業年度で申告が増える

決算期を変更すると、一度だけ事業年度が短くなることがあります。
この場合、通常よりも早く法人税申告をしなければならず、事務負担が増えます。

③ 銀行や取引先への影響

取引先や金融機関が「なぜ決算期を変更したのか」と疑問を持つこともあります。
とくに融資を受けている場合は、決算期変更が資金繰り上の理由と見られないように、事前に説明することが大切です。


4. 決算期を変更すべきケースとは?

決算期の変更はすべての会社に必要ではありませんが、次のようなケースでは有効です。

  • 繁忙期に決算が重なり、毎年申告作業が大変
  • グループ会社で決算期を統一したい
  • 資金繰りを安定させたい
  • 海外子会社と決算期を合わせたい

単に「節税できるから」といった理由よりも、経営管理や事務効率の観点からのメリット を重視するのがおすすめです。


まとめ

決算期の変更は、事業の実態に合わせて柔軟に行える制度です。

  • メリット:繁忙期回避・資金繰り改善・グループ統一・税負担平準化
  • デメリット:手続き負担・短期事業年度・外部からの信用リスク

自社にとって「いつ決算期を迎えるのが一番合理的か」を考え、必要であれば専門家に相談しながら進めると安心です。


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