開業届と青色申告承認申請書

はじめに
副業やフリーランスとして活動を始めるとき、「開業届を出した方がいいの?」「青色申告の手続きって何?」と迷う方は多いです。
実は、この2つの書類は個人事業を始めるうえで非常に重要な手続きであり、節税や信頼性の面でも大きな意味を持ちます。
この記事では、開業届と青色申告承認申請書の違い・提出方法・注意点 を解説します。
1. 開業届とは?
(1)目的
税務署に「個人事業を始めます」と届け出るための書類です。正式名称は:
「個人事業の開業・廃業等届出書」
(国税庁)A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
(2)提出先
事業所所在地を管轄する 税務署 に提出します。
(3)提出期限
事業を開始した日から 1か月以内 に提出が必要です。
(4)提出方法
- 税務署窓口に持参
- 郵送
- e-Tax(電子申請)
(5)提出のメリット
- 開業日が明確になり、事業の証明として利用可能(銀行口座や補助金申請など)
- 青色申告の承認を受けるために必要な前提手続き
2. 所得税の青色申告承認申請書とは?
(1)目的
青色申告を行うための承認を税務署に申請するための書類です。
青色申告を行うと、以下のような 大きな節税メリット があります。
- 青色申告特別控除(最大65万円)
- 家族への給与を経費にできる(青色事業専従者給与)
- 赤字の繰越控除(最長3年)
(2)提出期限
開業日によって提出期限が異なります。
| 開業時期 | 提出期限 |
|---|---|
| 新規開業の場合 | 開業日から2か月以内 |
| すでに事業を行っている場合 | その年の3月15日まで |
開業届と一緒に提出すれば、忘れずに青色申告を始められます。
(3)提出先
開業届と同じく、事業所所在地の税務署 に提出します。
3. 両方を提出する流れ
ステップ①:開業届の記入
- 氏名・住所・事業開始日・事業内容を記載
- 職業欄は「ライター業」「デザイン業」など具体的に記入
ステップ②:青色申告承認申請書の記入
- 開業届と同じ屋号・事業開始日を記載
- 帳簿の種類は「複式簿記」を選ぶと65万円控除が受けられます
ステップ③:税務署へ提出(同時提出が基本)
- 同封して郵送 or e-Taxで同時送信
- 郵送の場合、控えを提出しても受領印がもらえなくなったため、コピーに提出日をメモして保管しておくことをおすすめします
4. よくある質問
Q1. 副業でも開業届は必要?
→ 絶対ではありませんが、継続的に収益を得る活動 であれば提出が推奨です。
青色申告を希望する場合は、開業届の提出が必須です。
Q2. 屋号は必ず決める?
→ 任意です。後から変更も可能。個人名だけでも問題ありません。
Q3. 開業届を出すと会社にバレる?
→ 開業届を出しただけではバレません。
5. 開業後にやるべきこと
- 事業専用の銀行口座を開設
- 会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計など)を導入
- 領収書・レシートを必ず保管
- 翌年の3月15日までに確定申告
まとめ
| 手続き名 | 提出期限 | 提出先 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| 開業届 | 開業から1か月以内 | 税務署 | 事業開始の届け出 |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 開業から2か月以内 | 税務署 | 青色申告を行うための承認申請 |
- 2つをセットで提出すれば、節税しながらスムーズに事業をスタートできます。
免責事項
当サイト内のブログ内容については、執筆時点の各種法令に基づき記載をしているため、記載内容が必ずしも最新の情報であるとは限りません。
限定された条件下での記載や、一般の方にも記事を読みやすいよう一部専門的な内容を避けた記載をしています。正確性等を高めるよう努めておりますが、当サイト内のブログに記載された情報(第三者から提供された情報も含む。)をご利用頂いたことにより損害や不利益等が生じた場合でも、当ブログ管理者は一切責任を負いません。
ご自身の税務等に関するご判断に際しては、必ず顧問税理士等へご相談の上、ご自身の責任においてご判断下さい。